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The chastle of damed
雲一つない青空の下、どこまでも続く瓦礫と荒野ばかりの大地を、一台のバギーが走っていく。それはゆったりと、まるでピクニックにでも来てるかのような、そんな雰囲気でゆっくりと進んでいく。
その座席には、三人の人影がある。
「……ゆっくり走ってる。今日は、ピクニック?」
一人は、十代にに入ったばかりであろうかという、幼い幼女。背中まで伸びた髪、ぱっちりとしながらどこか深淵にも似た瞳、そして陶器のような滑らかな肌。そのどれもが作り物めいた白色に染められている。
その幼女は窓際にしがみつき、普段よりもゆっくり走るバギーから不思議そうな瞳で外の景色を眺めている。
「そーよ、ミナお姫様。今日はピクニック。お楽しみたっぷりの、ね」
不意に、幼女に前部の助手席から声がかかる。どこか皮肉めいたその明るい声に、ミナと呼ばれた幼女は助手席に目をやった。
そこにはダッシュボードに両足を乗せ、けだるげに周囲の景色を眺める少女の姿があった。
年のころは十代後半といったところだろうか、ぼろぼろの半袖シャツに擦り切れたデニムのホットパンツ、ウェスタンブーツといったいでたちだ。しかし異彩を放っているのは、その赤い髪の上に乗せるようにしてかぶっている、おとぎ話の魔女のような帽子だ。
「まあ、ちょっとばかりスリリングなピクニックになるかもしれないけどね」
そう言って、少女はその顔を隠していた帽子をかぶりなおす。そこからのぞく双眸は、のんびりした口調とは裏腹に、どこか野性的な、剣呑な色をまとっている。
「……ピクニック、ねえ。そんなのどかなもんですみゃあ、仕事もちったあ楽しめるってもんなんだがな、セトミさんよ」
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