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――この学校が出来てから、必ず作られる実行部隊……それが1年E組と、オカルト研究会。だが、長い歴史の中で、新入生に“該当する生徒”がゼロだった年は今のところ一度もないのだという……。  聖は断じて、すべてを知っていた上でこの学校を選んだわけではなかった。ただ学費が安くて、交通の便が良くて、自分の偏差値で楽して行けるところという基準に此処が該当していたというそれだけのことなのである。  こんなとんでもない場所だと知っていたらきっと、自分は別の進学先を選んでいただろう。いや、それでも香帆がこの学校を受験することを知っていたなら――仕方なく此処に来ることを選択したのかもしれない。  彼女の性格を考えれば。危険がそこにあるかもしれないと分かっていても――困っている誰かがいれば、グダグダ言いながらもほっておけないことは目に見えているのだから。 「……俺は、あいつに恩がある」  自分だって、他の生徒達を差し置いて彼女だけ助けられればいいと思っているわけではない。  それでも、聖は。 「それを返すまで、あいつに死んでもらっちゃ困る。理由は、それだけだ」  きっと香帆は、あんな昔のことなど忘れてしまっているのだろうけど。  聖は別に、彼女があの一件を忘れていても構わないのだ。これはただの、自分のエゴとプライドの問題なのだから。
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