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「それが簡単に説明出来ますし、考えやすいから試してみるのはありですね」
「そうだね、やってみる。ありがとう」
微笑みをむけると照れくさそうに、そっぽを向いた。
歳下らしく、可愛らしいところもある。
「……そんな顔をしないでください。多分ですけど、僕の方が歳上ですよ」
「……えっ?」
「一応、今年20歳になりました」
「…………えーーーっ!?」
私はあまりの驚きに後退りまでして、大声で叫んだ。
それを聞きつけたリアとシエラが店内から顔を出す。
「何事? めちゃ響いてきたけど、なんか大事でもあった?」
「あっ、ううん。何でもない」
クィートくんは困ったように苦笑いを抱えて、私に腕まくりをして見せた。
クィートくんの腕には3つの紋章。
「あっ、それ、私にもある!」
「お2人には内緒に。これは精霊紋という精霊の力を借りられる紋章です」
「なにそれ?」
私が前のめりに話を食いついたところで、2人は道具をもって出てきた。
「あれ? なんかいいとこやった?」
「なに、いいとこって。絶対変な妄想してるでしょ」
「当たりぃー」
リアは悪びれもせず、薄ら笑いを見せつける。
最近、こういう性格の悪い笑顔がよく見れる。
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