8・忍び寄る影

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「操作って、操られているってことだよね? 操作に魔力を用いるからってこと?」 「そうですね。どうしても、操作は常に魔力を注がなくてはいけないので、魔力の質というのを見抜けるかが鍵になるんです」 「なるほど。でも操作されてなければ問題ないよね」  私はその話を深く考えていなかったが、どうやらシエラは意図して、その話をしているのか、やけに力強く、その様子にリアは疑問を抱いた。 「なんかあるん?」 「いえ、特には。ただそういうものではないかなと思いまして」 「なるほど……」  シエラが小さく視線を移した先には、クィートくんがいて、リアもクィートくんに警戒を始めた。  瞬き程度の時間、リアは思考を巡らせて、口を開いた。 「ティアラ、それ意思疎通出来るかうちも気になるねん。1回やってみらん?」 「……それはいいですね!」  リアが魔法に興味を示したふりをすると、シエラがこれでもかと乗ってきた。  こんなに仲がよかった印象はなかったが、私は気付くことはない。 「うん、いいよ」 「早速使ってみてん」  リアに促されて、私は魔法を唱える。  慣れたものでもう魔導書はなくても、数秒で魔法陣を描くことができる。  イメージを魔力で形成して、魔法陣にすることでそれを可能にする通常の魔法と異なり、複製魔導師の特性として、1度使用した魔法は『魔法のイメージを魔法陣に置き換える』というイメージになる。  正確には、どのような魔法かイメージすれば、魔法陣が脳裏に浮かぶ、という印象。  私は浮かんだ魔法陣を魔力ですらすらと描く。 「七星の燕」  漆黒に塗られた3羽の燕が空中から、羽根を広げた。
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