思い出は桜のように綺麗だった

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桜が舞って花びらが視界に映って消えていく。 でもその消えた先を気にする余裕なんてない。 僕、安住信也(あずみ しんや)は息切らして走る。額から流れた汗すらも拭うことを忘れて。 腕につけた時計は3時まで後30分あるしまだ余裕はあるけれど家を出たら自然と走り出していた。 【3時に西田公園の桜の木の場所に来て。 集合場所は2人の思いでの場所】 朝起きて1番に気付いた君からのLINE。 「西田公園の桜凄く綺麗だよね」 3学期が終わって教室の片付けをしている時に言った。窓から見える中庭に植えられた1本の桜の木からは舞う花びらは尽きることなく景色を色鮮やかにしている。 西田公園の桜は小さい頃一緒に見た記憶が頭の片隅に残っていて「そうだね」と答えた。 「じゃあ、春休み一緒に見に行こ!」 その誘いに「う、うん」と答えると「約束だよ」の小指を差し出してきたっけ。 早く会いたい その気持ちがまた走るペースを速くした。
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