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「君の名前は今日から木下静子だよ」
「バカバカしいっっ!」
坂上みゆきは目の前に座っている
ハンサムな警官にピシャリと言い返した
「あたしが「静子」なんて
だっさい名前の女に見える? 」
両手を広げて目の前の警官に訴えた
「全国の「静子」さんに悪いよ」
彼は困った顔をして笑った
ものすごくハンサムな警察官だった
まるで海外の男性用の雑誌の
トップページから
飛び出てきたような容姿に
警官の制服が余りにも不釣り合いで
思わず笑ってしまいそうになる
こんな優れた容貌なのに
警察官とはもったいないぐらい
無意味にハンサムだ
捜査にハンサムな顔立ちなんて
必要なのだろうか?
二人がいるのは透明の壁に仕切られた
待合室みたいな取調べ室だが
警察本部へはここ一年
しょっちゅう来ているので
だんだん顔なじみの警察官も増えていた
みゆきは今にも爆発しそうな感情を
抑えて彼を睨んだ
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