その瞬間100万個の流れ星が降る

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その瞬間100万個の流れ星が降る

フカフカの芝生に腰を下ろした。 隣に座った君を (どーしようもない程抱きしめたい) なぜかそんな衝動に駆られた。 よっぱらってるせいだ。 これ以上欲情しないように寝そべって星を数える。 自分の感情をちゃんと確かめておきたかった。 酔いが醒めれば消えてしまう程度の欲求かもしれないだろ? 星座の名前はよく分からないが、今日は絶好の観測日和。 □ ここに来てから一つも会話が無い。 体育座りして首をもたげて空いっぱいの星を仰ぐ君。 君の目にも、無数の光が降っているんだろうな。 「30分経ったら起こして?」 「そんな! 勝手に…」 「寝てる間に1人で帰るなよ?」 フッ… わざとイジワルな笑いを浮かべて目を閉じた。 少し眠ろう。酔いを醒ましたい。 どうせ君は僕を放って帰らないだろう? でももし目が覚めた時にいなくなってたら、… そん時はそん時で、また考えるとするよ □ ・・・・・ 「ねー。起きて?」 あ…君の声 良かったー…ずっといてくれたんだ… 「ねー、30分経ったよ?」 これって結構幸せなシチュエーション。 悪りー、もう少し寝たフリしてても、 …許せ。 「起きて? ダメだよ、外だよ? 起きて!」 あー、かわいいなー 「もうっ!」 …あれ? 起こす諦めた? ちょっと諦めんの早くない? 僕はもうちょい幸せに浸りたかっ… 唇に、ふわり、柔らかいものが掠めた。 君の唇だ… 僕は目を閉じたまま、両手を伸ばした。 「ちゃんとしてくんないと、目が開かない…」 「や…起きてんじゃん! 早く起きてよ!」 「もっかいだけ。そしたらぜったい起きれる…」 「絶対?」 「ぜったい」 ・・・・・ 「目、開けないでよ?」 「開かないって。寝てるから」 ・・・・・ ふっ…とまた掠めた。 ん? 右目だけ開ける。 「今の、指だろ?」 「なんでばれたの?」 「全然違うよ、やり直し。」 「起きたじゃん。」 「寝たから。早く。」 再び両目を閉じた僕の顔の真ん前で、いつまでたっても近づいては離れてを繰り返している。 時々後れ毛がくすぐったい。 君の心が揺れてるのが微かな息づかいと体温で分かってしまって、… どうしよー。たまんねー。 「キスしよう。目、閉じて?」 掴まえた。 君のコトが、好きになった。
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