序章

1/1
3239人が本棚に入れています
本棚に追加
/407ページ

序章

『おおきくなったら、おまえはぼくのこうごうになるんだぞ!』 『そうですね』 『そうしたら、おまえのほしいものはぼくがなんでもかってやる!』 『何でも、ですか?』 『うそじゃないぞ!』 『楽しみにしておきます──』 そんな会話をしたのは、いつだったか。 幼いあいつが笑顔で手を伸ばしてきたのは、いつの事だろう。 舌っ足らずに(せわ)しなく話しかけてきたのは、いつだったろう。 あの頃は、あいつはほんの子供で、何も知らなかった──
/407ページ

最初のコメントを投稿しよう!