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すぐに彼も入ると思ったのに、なぜかもう着替えていて、花野は不思議そうに義隆を見た。
「僕は大丈夫。明日にでもシャワー浴びるから。それよりも早く休まないとね」
突然訪れた花野を気づかってくれる義隆の優しさに、また涙が出た。泣いてばかりの彼女を彼は抱き締めてくれた。
「ごめんね、泣かせて。もう、絶対泣かせないから」
ベッドに入っても抱いてこない彼を花野は不安そうに見た。義隆は苦笑しながら、指で花野の髪を梳いてきた。
「花野の身体が心配だからね。今晩はこのまま寝よう。
明日また会って、その時きちんと話して、それからだね」
何もなくても、義隆はずっと花野を包んでくれた。
その温もりを感じて、花野はやっと安心して眠れていた。
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