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「それで玲那さんの気が晴れるならいいんじゃないかしら。お金も稼げるし、一石二鳥?」
莢子が、例によってあっさりと結論付ける。
「でも専業主婦なんて、今時やりたいと思ってもなかなか出来るもんじゃないし、ちょっと勿体ない気もしますけどね。満員電車に揺られて出勤とか、ほんと最悪だし」
過去の自分を振り返り、美苗が眉を寄せる。
「自宅近くのお店の手伝いだからいいけど、これが朝早くから電車で通勤だったら絶対やだ。迷わず専業主婦選んでる。会社勤めなんてしなくて済むなら、働かないで一生楽して生きていきたいもん」
「そこはひとそれぞれよね。余裕がなければ嫌でも働きに出なきゃいけないけど、不自由しないだけのお金があったとしても働く事を選ぶひともいるわけで。私も毎日それなりに忙しいけど、旦那の会社で働いてるのは嫌ではないんだよね」
緋音が横から意見を述べる。
「子育てしてるとふとした瞬間、社会から置き去りにされてる気がするんだけど、そういう気持ちを薄めてくれる。四六時中子供と家にいたら発狂しちゃうけど、そんな時間があるからこそ優しく向き合えてるところがあるし」
「いかに自分の産んだ子供とは言え、二十四時間一緒だと息が詰まっちゃうものねえ。幼い頃は特に」
子育ての先輩である莢子は、緋音を肯定した。
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