恋って残酷――

12/12
225人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
――って、ちゃんと聞いてやがったのかよ……! さっき俺が冗談で言ったこと。戯言だって突っ返したくせしてさ、今頃こんなの反則だろうが!  ふと空を見上げれば、分厚い曇天を突き破って日射しが顔を出し、眩しいくらいに俺らを射貫いていた。 「熱っつ……!」 「じきに梅雨明けだからな」  俺の真横で瞳を細めたこいつのツラが、残酷なくらいに格好良く思えた。  ああ、恋って本当に―――― - FIN -
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!