新たなダンジョン

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俺は倒木ダンジョンの中を進んでいた。 入口付近に2体少し進み1体の合計3体のワイルドボアを倒したのだが、 そろそろ昨日のワイルドボアの群れに襲撃された場所となる。 俺は辺りを警戒しながらユックリと歩いていた。 前方から8体のワイルドボアが俺へと勢いにまかせて突進してくるのに気が付いた俺は、 すぐにコンパウンドボウのストリングを最大まで引き切っていた。 焦らず1体1体に矢を的確に放っていく。 正確に眉間を射抜いてワイルドボアを次々と仕留めていった。 ワイルドボアLV3を倒しました。 ワイルドボアLV2を倒しました。 ワイルドボアLV3を倒しました。 ワイルドボアLV4を倒しました。 レベルが上がりました。 ………… …… 「今のところカオスキルボアは、 この周辺に居ないようだな。 とりあえずもう少し進んで様子を見てみるか」 最後の1体へと矢を放つと、 短い悲鳴を上げたワイルドボアは地面へと倒れていく。 自動解体を使用し、 ワイルドボアの体は光に包まれると次々に左手へと吸い込まれていく。 昨日と違って俺の腕には、 鬼血の手甲が装着されており、 俺へと絶大な安心感を与えてくれるように感じる。 ワイルドボアLV2を倒しました。 最後の1体を自動解体で収納している時だった。 前方から現れたワイルドボアよりも一回り大きな体躯をした個体が、 俺へと素早い動きで迫って来るのだ。 奴の黒い体毛を見た途端に昨日のカオスキルボアの記憶が蘇ってしまう。 「魔眼!! 」 コンパウンドボウを引き絞りながら、俺は奴のステータスを確認していく。 すぐに狙いを定めると眉間へと矢を放っていく。 奴は突然頭部を左に振ると、 突進してくる進路を無理矢理変えたのだ。 俺が放った矢は奴の横を通り過ぎると、 通路の奥へと消えていくのだった。 ワイルドキルボア LV9 HP270/270 「ワイルドキルボア…… まさか矢を避けたのか!? 」 距離は約60m。 再びコンパウンドボウで急所を狙い撃つと、 ワイルドキルボアは頭を振りその巨体は矢の進路から少しズレてしまう。 放った矢はワイルドキルボアの額を擦り僅かな傷を刻んだ程度で、 勢いを完全に殺すには至らなかった。 ワイルドキルボア LV9 HP234/270 「くそっ…… 間違いない矢に反応している! 」 急いでコンパウンドボウを空間ボックスへと収納した俺は、 ホルスターからブラッドナイフとファイターナイフを引き抜いていく。 両手へとナイフを逆手で握り締めた。 ワイルドキルボアとの距離は既に30mを切っていた。 「鬼魂っ!…… 殺れるか!? 」 体高1m以上あるワイルドキルボアの巨体は恐ろしく大きく見えた、 間近で見るとあまりの迫力に足が竦んでしまうほどの恐怖を感じてしまったのだ。 勢いを殺さずに俺へと突進して来るワイルドキルボアを、 捻るように体を反転させてなんとかギリギリで躱していく…… 必死に右手に握ったブラッドナイフでワイルドキルボアの脇腹へと斬りつけたのだった。 ワイルドキルボア LV9 HP212/270 「斬撃がほとんど効かないっ!? 」 ワイルドキルボアへの斬撃は、 薄皮一枚程度の傷を負わせる程度にとどまった。 ナイフによる軽い攻撃では致命傷を与える事ができなかったのだ。 恐らく硬い体毛により斬撃はほとんど意味を成さなかったのだろう。 すぐにナイフを突き刺す様に脇腹へと追撃を仕掛けた時だった、 ワイルドキルボアは大きな頭部を突然大きく振るうと、 遠心力により巨体を無理矢理反転させたのだ。 その巨体からは想像出来ない動きに、 俺は僅かにワイルドキルボアへの反応が遅れてしまった…… ワイルドキルボアの鋭い牙が俺の胸目掛けて振り抜かれる! ガギィィィィンッッ!! 鉄と鉄を激しくぶつけた様な甲高い音が響いていた……
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