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海人は牛乳とご飯の組み合わせが大好きだ。通常の人には理解しがたいようだが、噛んで甘味が出たご飯を牛乳を飲んで更に食べるのがとても美味しい。
ひじきとコーンスープはただ好きだから作った。青空は始め首を傾げていたが、すぐに嬉しそうにして、食べたい!と元気になった。
抱いていたのでそのまま椅子に降ろし、海人も目の前に座る。海人は新婚のようだと思って嬉しかった。けれど言わねばならないことはまだ言ってない。
青空は「いただきまーす!」と言ってご飯をモグモグと食べ始めた。海人の好みの食べ方を聞いて牛乳と食べてみると案外美味しいと彼はおもった。
少ししょっぱめのひじきも、あったかくて甘いコーンスープも彼の心を満たす。
「あの、さ」
口を開いたのは海人だった。頬をいっぱいにした青空は喋れないので「ん?」とだけかえす。
「俺と、付き合ってください」
「.........え?」
青空は理解できなくて返事を忘れそうになったが反応する。そしてよくよく考えたらよく分からないこと言い始めたとおもった。
「俺たち、付き合ってねーの?」
「え」
そんな間抜けな顔をしている海人に、青空はぷんぷんし始めて、「お前は付き合ってないのに俺のこと犯したのか!!」と海人の腕をバシバシ優しく叩いた。
確かに少なくとも自分的には付き合ってないのにヤッてしまったと気づいた海人はまたすごく落ち込んだ。
けれど青空は小さな声で「...いいよ」と言って手を握ってくれたので、落ち込みながらも顔は笑顔に満ち溢れた。
「...これからよろしく、青空」
「こっ、こちらこそっ...」
海人はテーブル越しに青空に手を伸ばし顎をささえ、触れるだけのキスをした。青空はそれに応えるようにぎゅうっと手を握り返したのだった。
*完*
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