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「嘘ついたら？」
『蓮とは共演しない』
「そ、それはファン様の期待を裏切るのでちょっと……」
『あはは！ そういうお人好しは身を滅ぼすからやめなねー？』
この憎たらしい態度に腹が立って仕方がないけれど、ここはぐっと堪えるしかない。
「わかりました。私も絶対蓮は渡しませんので！」
『若いっていいなー。ま、そういうことだから仲良くやってちょうだい』
ブツッと一方的に切られた電話。
なんか蓮と萌絵さんってこういう所似ている気がするな。
危害を加えるわけではないみたいだし、ほっと胸を撫で下ろして蓮に視線を送ると目が合った。
「あ、電話終わりました」
「"私も絶対蓮は渡しませんので"って言うじゃねぇか」
「あれは仕方なくですね」
モジモジしていると、勢いよく抱きしめられた。
恋人になってから化粧品のラインは撤廃され、家にいる時はほとんどくっついている気がする。
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