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どうしたらっ!? と思ったとき、開いたままの押し入れの中、箪笥と壁の隙間が空いていることに気がついた。
いつもは掃除機が入っているスペースなのだが、ものぐさなので、掃除機はしまわずに、リビングの隅に立てかけていることも多い。
そして、今がまさにそうだった。
ラッキー!
後から考えれば、なにもラッキーではなかったのだが、此処で冷静になる余裕はなかった。
慌てて、洸はそこに入る。
押し入れの戸を閉めると、カラカラと音がするので、遥久がドアを開けるタイミングで、その音に被せて、戸を閉められるところまで閉める。
当たり前だが、内側には、指を引っかけるところがないので、戸をつかんで閉めていた。
洸の指の幅程は開いているのだが、たいした幅ではないから、大丈夫だろう、と思う。
だが、その隙間が恐怖でもあった。
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