相合い傘

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学校の帰り道、雨がポツポツ降り出した。 1人傘を差し歩く。 薄暗い帰り道、道端の黒い陰がスーッと近寄ってくる。 立ち止まるとそっと傘に入ってきた子猫。 触ると逃げるかなぁと思い、そのまま動けなくなる。 周りに人も車もなく、傘に当たるパラパラという雨音だけが響く。 目をつぶると静けさと雨音が何だか心地良くて。 相合い傘仲間をチラッとみるとしゅっと逃げていった。 その時から、雨の日には少しだけ目をつぶって雨音を聞く癖がついた。 少しだけ雨の日が楽しくなる癖。
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