狂拳童子

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獅雄響弐(ししおきょうじ)6歳。 朝日市立犬萩(いぬはぎ)小学校に入学した。 朝日市内でも屈指の吹き溜まりと呼ばれ、人々に敬遠される犬萩地区で唯一の学校だった。 犬萩地区出身者にとって小学校が最初に自分の強さを示す場所だった。 この学校で誰よりも喧嘩が強いことが学力よりも重視されていた。 この年の生徒たちは皆異様な興奮状態だった。 犬萩地区で知らない人はいないと言われる「狂拳童子」が入学してきたからだ。 新1年生から6年生までが彼の強さに興味を持ち、そして同時に潰してやろうと息巻いていた。 だが、その興奮は一瞬にして冷めることとなった。 入学式当日に生徒が20人以上病院送りになった。 それが「狂拳童子」1人がやったことだったから。
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