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「ばかやろう。桃崎は探偵としての仕事で宗中さんに接近したにすぎない。プライベートではきっとピュアの恋をするだろうよ。仕事とはいえ、今度のことは、たぶん弓野の心に傷を残したに違いない」
「あらま、先野さん。女心をそんな単純に決めつけていたら、痛い目に遭いますよ」
「三条さんはドライだな」
「そうかしら……」
三条は含み笑いする。三十八歳の先野がずっと独身である理由がわかったような気がした。
【花嫁の幻を見ていた】(了)
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