女性用下着をつけたモブお兄さんに迫られるモブおじさんの話

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 その青年はおそらくただの青年であった。街をふらつく姿は高校生から大学生くらいで、どこにでもいる若い男の子という印象しかなく、少なくとも女性的ではなかった筈である。 ──だというのにコレは何だ。ナンパしてホテルへ連れ込んだまではいい、問題はその後。ベッドに押し倒し口付けを交わして服を脱がす段階で中年男の手が止まる。視線は青年の下半身から離れない。  ズボンをぬがした中身、いわゆる下着、それが何故か女性物だったのだ。 「こ、これは……?」  とっさに聞いてしまったが聞いてよかったのだろうか──男が後悔しかけた時、下から青年がクスクス笑う、こういうのは嫌い? と。 「う、ううん、そんなことないよ。ちょっとビックリしたけど、おじさんはむしろ好きな方かな!」  鼻息荒く主張して見せればまた青年は笑う。そして男の首に腕を回してきたかと思えば凄い力で引き寄せられて、そのまま唇を合わせた。  深く深く互いを味わって吸って噛んで、青年の胸の飾りを指で転がすと鼻にかかった弱々しい吐息が漏れる。 「好きっていうのは本当みたいだね。おじさんのココ、ちゃんと反応してる」  固くなったそこを青年の脚で中途半端に刺激されて脳が痺れてきた。青年はといえば組み敷かれているくせに挑発的な笑みを浮かべており、その頬はキスの余韻でほんのり色づいている。 「もっと見てよおじさん。俺の可愛いパンツ」  青年は自らズボンを下げていく。体のラインをなぞるように生々しい手つきで少しずつ、少しずつ、見せつけるように。 「い、いい? 見るよ。おじさん……君のパンツ見るよ?」  興奮を隠さず己の身に汗を纏わせて問うと、目を細めた青年がどうぞ、と股を少し開いて目線を誘導してくれたので、遠慮なく顔ごと近付けてじっくり観察させてもらう。  白を基調とした滑らかな生地に薄桃色のレースがたっぷり施されたなんとも愛らしい下着。サイドはリボンで結ばれており、少し引っ張ればほどけてしまいそうな危うさを感じる。 「いやらしいね……」  言って真ん中の膨らみをそっとなぞった。吐息混じりの声が聞こえた気がして更に先端を指先で擦ってみると、女性下着の布面積では覆いきれない青年の欲望がみるみるうちに膨れ上がっていく。 「ぅ……く……」  青年は苦しそうに眉をひそめて瞳を潤ませている。女性下着の締め付け感がどれほどのものなのか男にはわからないが、青年の表情と限界まで張った下着のテントから察するに相当辛いのだろう。 「苦しそうだね、でも……もう少しいじめさせてね?」  男が手のひらでそっと包み込み、柔く揉んだりゆっくり上下させてみたりすると、青年の脚がビクビク震えて太ももで結ばれたリボンも一緒に揺れる。 「ぁ……っひぁ、あ!」  甘く喘ぐ青年が身をよじるたびにシーツの皺が増えていく。同時に若い昂りを下着越しに弄る男の手も湿り気をおびてきた。 「ああ……白いパンツだから濡れると透けるね。凄くエッチだよ」  青年の先走りでじわりと汚れた下着は中身の肌色を浮かび上がらせて情欲をそそられる。そろそろいいだろう。  いよいよ下着を脱がせようとサイドのリボンに触れかけた時、青年の手がそれを制した。 これは俺にやらせてよ──と妖しく笑って。 「大丈夫、おじさんを萎えさせたりはしないから」  そう言って青年は自身の左太ももに触れた。ゆっくり艶めかしく円を書くように内側を撫で、そっと移動させた手で同様に外ももを撫でる。  そのいやらしい手つきに男は生唾を飲み込みながらじっと青年の行為を見守る。こちらの限界が近いのを知ってか知らずか青年は愉しげに焦らし、ゆっくりゆっくり指にリボンを絡ませた。 「じゃあ、引くよ」  あれだけ焦らしたのに今度はあっさり手を進めるらしい。するりとリボンがほどけると青年の左脚が完全に露わになる。  残すは右サイドのリボンと、そして中央の白い布──男の興奮は最高潮に達した。 「じゃ、じゃあもう片方はおじさんがほどいていい?」 「え? んー、ほどいてみたいなら別にいいけど、片方ほどけば脱いだも同然だよ?」  青年が上体を起こして膝立ちになった瞬間に全て理解した。締め付けから解放された青年の熱く反り立ったものが全て見える。 「ね、俺の言った通りでしょ。おじさん?」  目尻部分を赤く染めて色っぽく舌舐めずりする青年はそのまま背を向け、尻を突き出す姿勢をとった。  彼が動く度にヒラヒラと揺れる白と薄桃色の下着。片方のリボンのみで結ばれたそれが彼の股の間にぶら下がっていて、その中途半端な光景が何故だか妙に卑猥で──理性のタガが外れた男はそのまま青年の身体を背後から貪り抱いた。
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