８時１０分発岡山行き

ケンチャン家

「おはようございます、片岡です、ウチの和也がお邪魔してませんか？」

「あら、千鶴チャン、来てるわよ・・・そうだ、千鶴チャンも朝ご飯食べて行ったら？」

「マァ、麦ご飯だけどね～～！」

「イエ、これから出掛けますので、弟を連れ戻しに来ました！」

「あら、いい事、このご時世に旅行？」

「イエ、岡山の祖父の家に・・・」

「そうね～～ここら辺もね～！」

「和君、お姉さんが迎えに来てるわよ！」

「コラ、和也、ダメでしょう、こんな朝早くから他所様のお宅にお邪魔しては！」

「だって・・・ケンチャンと夏休み中はお別れだから、さようなら、してたんだ！」

「おばさま、すみません、ご飯迄いただいて・・・」

「あら、いいのよ、ここだけの話だけどね～、ウチのお父さんの田舎からお米と麦を送って来たのよ！」

「アッそうだ、チョット待っててね～千鶴チャン！」

「ハイ、これオニギリ、汽車の中でも食べて！」

「すみません、ありがとうございます！」

「和也、ホラ帰るわよ！」

「ケンチャン、またね～～！」