不思議な女の子

1/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ

不思議な女の子

その子は何度も俺の前に現れた。今日はバス通りの向こう側から、こちらを見ている。あ、目が合った。しばらく俺を見ているように思えた。自信過剰かな。 翌日は、友達と一緒に歩いていた。学校帰りだ。ランドセルをしょっている。多分6年生ぐらい。俺の働いているガソリンスタンドの真ん前を、しゃべりながら歩いている姿に、俺が気付いた。あっ、ちらっとこっちを見た。6年生の女の子に見つめられて、いい気分になってるなんて、いやいや、いい気分なんかになってないぞって。一応否定しておこう。俺の年?18。まあ大人だよね。高校を卒業する直前、嫌になって、学校をやめ、知り合いのつてで、このガソリンスタンドに拾ってもらい、なんとか、社会人してるけれど。 奇麗な子だ。今時の小学生は結構大人っぽい。深い、強い、しっかりとした目をしていた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!