哀れな男の一目惚れ

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顔はそこそこ可愛くて、笑顔が素敵で、仕事ができる。なんてオレにぴったりなんだと思った。 ぶっちゃけ一目惚れだった。 新宿支店の山崎愛海(やまざきまなみ)は、そこら辺の女より全然レベルが高い。 俺の勤める会社は、ベンチャー企業から発展を遂げた絵画を売る会社。アホみたいな値段で絵を売る案件もあれば、いくつか協会と提携しているのもあり、新人の作品やアマチュアの作品を売ったりもしている。大きくなったので、神奈川や東京にいくつか支店を構えている。 山崎さんは、そのなかでも大きな支店の配属だ。 評価できるのは、あどけない表情でありながら、仕事がバリバリできるところだ。客に対しても引けをとらず、売れるところは宣伝して、最終的にしっかり成果を出す、らしい。 最近、会社のホームページに載っていて、その笑顔にきゅんときて、調べたら、新宿支店にいるやつに、そんなことを聞いた。 可愛いのに仕事にストイック。どうやら、同僚に勝つために女を捨てて仕事をしていたみたいだが、どう見たって女だし、可愛い。 俺は武蔵小杉の支店で、新宿まではちょっと距離はあるが、そんなのどうでもいい。 東京の営業部長の金城さんに頼んで、飲みの席を用意してもらうことにした。 俺は支店長だから、結構頼みやすかったりする。
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