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第一章 初恋の人
──私が諒さんと初めて逢ったのは幼稚園の運動会の時だった
「やぁ!君が翔ご自慢の彼女ののんちゃんだね?」
「…かのじょ?」
「お、おやじ、へんなこというなよ!こんなやつ、か、かかかかのじょじゃねぇ!げぼくだ!!」
「…げぼく?」
「こら、翔!女の子に向かって『下僕』なんて汚い言葉を使うんじゃない!」
ポカッと頭を叩かれた翔ちゃんは「いってぇぇー!」と叫びながら園庭を走り回って行った。
「ごめんね、のんちゃん。翔も悪気があって汚い言葉を使っているんじゃないと思うから許してやってね」
「…はい」
「ところでのんちゃんのご両親は?運動会に来ていないの?」
「…あ、えーっと…」
子どもながら親の説明をするのは大変だなと思っていたら──
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