問題篇1・登場人物と舞台

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問題篇1・登場人物と舞台

 彼はとある大手会社の社長を送迎する車の運転手をしています。  二十代前半、身長は低くも高くもありません。どちらかといえば痩せ型。仕事中は制服で、制帽と手袋をつけています。  しかし彼には少々変わったところがあり、プライベート時でも手袋は外さないんです。入浴時や就寝時以外では。手が滑ったりしないんでしょうか。  その彼をここでは仮に……その、えーと、どうしましょう。仮に、えっと、そう、手袋さんとします!  実に捻りのない、苦し紛れ感の強いなかなかのセンスではないでしょうか。  それで、この手袋さんは今、社長さんとその息子さんと一緒に社長さんの別荘に向かっているんです。  もちろん運転手は手袋さん。今日も元気に手袋をつけて運転しているわけです。  社長さんは身長はそれほど高くなく、小太り。頭は白髪混じりで、歳はもう還暦は過ぎています。  こっちは社長さんでいいですね。役職はわかりやすくていいです。  最後が息子さん。耳にはピアス(複数)、首にはネックレス(複数)、手には指輪(複数)のいわゆるアレです。髪は人工の茶色で服装もアレな感じです。身長は高めで体型は痩せています。こちらも二十代。  彼は、そうですね……うーん、ここは、キラキラさんとします。  ……なんか命名の理由とイメージが合ってませんけど。  まあ、いいでしょう。
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