( ̄∀ ̄*)イヒッ.。oO(面白いヤツ♪)

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( ̄∀ ̄*)イヒッ.。oO(面白いヤツ♪)

 こんな世界、何が面白いのだろうか。 (おっ、可愛い子発見~♪)  廊下で2人のお友達と話している女の子。小柄で、癖のない長い髪。顔立ちは幼め。  うん、まぁまぁ好み。 (確か隣のクラスの、えーと、奈良優月(ならゆずき)だっけ?)  美少女転校生が来たー、とかで騒いでたっけ。ま、どーでもいいや。  近づいていく。彼女の後ろから、トントンと軽く肩を叩いた。 「……?」 「あの、隣のクラスの高梨叶多(たかなしかなた)です。は、話があるんだけど、大丈夫かな」  チラッ、とお友達の方に控えめに目配せする。ピンと来たようで、ニヤニヤとしていた。 「優月!これ告白じゃない?」 「うちらのことはいいから、行っといで~」  コソコソしているがバッチリ聞こえている。もちろん、地味な純情少年で通っている俺は聞こえないフリだ。  2人は楽しそうに教室に引っ込んで行った。何が楽しいのか理解できないけど、協力(?)してくれるのは助かる。 「じゃあ、そこの階段で」 「わかった」  素っ気ない返事。……初対面だし当たり前か。  2年生の教室から1番近い階段、にも関わらず主要教室にはどこにも繋がっていない為ほとんど使われていない。要は、人通りのすくない告白スポットの1つだ。  特に会話もなく、少しのぼった踊り場で止まった。向かい合う。俺は緊張した表情を見せていたが、彼女はすまし顔というか、特に何も読み取れなかった。  前回付き合ったのはキリッとした正統派美人な子だったけど、何考えているのか分からない童顔少女もそれはそれでくるものがある。  言っておくが変態ではない。 「あの、す、好きです!俺と付き合ってくれませんかっ!」  自分でもどこからこんな純粋そうな声が出てるのか分からないが、この声色は確実に彼女の心を揺らしているはずだ。  こんなことはしなくてもどうせ断られるはずがないのだが。 「何か利点はあるの?」 (……はい?)  すっごい夢のない発言が聞こえたような?聞き間違い、だよな? 「好きな人でもいるの……?1ヶ月お試し期間とかでもダメかな」 「話聞いてた?もしかしてナルシスト様ですか?」  悪い顔してる、悪い顔してるよコイツ!!見た目というか、雰囲気に合わない。けど。 「……俺の思い通りにならないとか」 「ん?何か言った?もっと大きな声で」 「気に入った!!!」 「はぁ!?ちょっ、やめ」  勢いに任せてガシッと肩を掴んでしまった。 「あっわりぃ」 「……猫かぶってたのね。尚更ムリだわ。はいサヨナラ」 「うっわシビれる~!いいわ~俺絶対振り向かせて見せるから」  一層冷ややかな目。そんな目を向けてくるヤツも初めてで、むしろぞくぞくするような感覚を覚える。童顔少女に言われると余計に。  もう一度言うが変態ではない。 「前言撤回するわ」 「なになに?」 「猫じゃなくてバカ犬ね」  その追加いるかなぁ?  彼女は長い髪をなびかせて颯爽と去っていった。
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