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「ヨーグルトシャーベットです」
「ヨーグルトシャーベット……」
「これで痛みがマシになると良いのですが……」
「…………」
本当は痛くなどない火傷を、こんなふうに怜に心配させてしまって、美寧の胸は罪悪感で苦しくなる。
居た堪れない気持ちになりながら、美寧は出されたシャーベットを見つめる。
彼女が伏せた瞳を、怜は痛みのせいだと思ったのだろう、
「滲みたり痛んだりするなら無理しなくても、」
「だ、大丈夫だから。いただきます!」
怜の言葉を遮るようにそう言って、慌ててスプーンを手に取った。
シャリっというスプーンの感触を感じながらシャーベットを掬って、口に入れる。
ヒヤリとした触感は、舌の上で溶けてすぐに消える。ヨーグルトの酸味の後に、まろやかな甘みが口に広がった。
「はちみつ……?」
「正解です」
砂糖とは違うまろやかでコクのある甘みの正体は、ハチミツだった。
「おいしい……」
それだけ口にした美寧が、続けざまにスプーンを口に運んでいるのを見て、怜は満足そうに微笑む。
さっきまで悩んでいたことなど忘れて、美寧はシャーベットに夢中になった。
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