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「ミハルのせいでせっかくのチャンス、逃した」
窓の外を指さしながらミハルを恨みがましく見る。中庭には、すでにフード姿はなくなっていた。
それを確認したミハルはホッとしたように胸に手を当てた。
「はぁ、良かったぁ! クロードさんの友人なんて、近寄るもんじゃないからね!」
「ぜんっぜん良くない!」
――カリカリカリ
さらに言い募ろうとしたシオだったが、扉から聞こえてきた音に言葉を呑み込んだ。
「? なんの音?」
ミハルが不思議そうに背後を振り返るのと同時にシオはパッと顔を明るくした。
「どいて!」
「うわっ!」
油断していたミハルを力の限り押しのけて扉に向かう。
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