2/16
201人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
 俺の人生、22歳で終わったんだなと思った―――  生きてる価値を失った。  むしろ生きる意味もない。  何もない、空っぽの俺。  ただの入れ物が転がっている。  そんな気分だ。  中身のないペットボトルに用がないように、空っぽの俺も、社会からすればもはや用済みだろう。  今まで役に立っていたのかすら怪しいけれど。  指先に力が入らないし、何も耳に届かない。  このままベッドで死んでも、今なら後悔はない。  たくさん勉強して、来年試験を受けることに決めて、着々と人生の階段を上がっているつもりだった。  それには些細な石ころすらもない道が広がっていて、どこまでも伸びやかで、自由な風が吹いているとさえ錯覚していた。  隣にはことちゃんがいて、当たり前に微笑んでくれている。  子供が1人、2人……いやいっそ、3人くらいいてもいいかもしれない。  男の子も女の子もどっちも欲しい。  だって、ことちゃんに似た女の子なんてメロメロになるじゃないか。  俺に似た子は……あんまり想像したくないけど、俺に似た子を可愛がることちゃんなら見たい。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!