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First
――男性が苦手で、小さな頃からずっと女子校だった。
甘やかされて育ったあたしは、それが普通だと思っていた。
だけど、このままじゃいけないと感じ始めたのは、幼馴染の七生 頼子に彼氏を紹介された14歳の冬だった。
男子を前に、うつむいて固まるしかなかったあたしと、そんなあたしを見て鼻で笑った頼子の彼氏。
続いて彼は、『頼子の友達?本当に?』と、少しだけバカにしたような口調で言った。
その態度に腹を立てた頼子は、あたしの目の前で彼氏を振った。
泣いて謝る彼氏に、頼子は『あたしの親友をバカにする男なんて大嫌い』と言い放った。
そんな頼子を見て…あたし、武城 瑠音は決心した。
変わらなくちゃ。頼子の親友としてふさわしい女の子にならなくちゃ。
そのためにも…
高校は、共学へ行こう。と。
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