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一華ちゃん、眞子、そしてなぜか八重嶋さんと、土曜日に、わらび餅の和カフェに集合している。ちょこちょこと報告のメッセージはやり取りしていたけれど、こうして集まるのは、かなり久しぶりだ。
「ほんとに、有言実行。さすが、陽」
「まぁ、当然でしょ。陽さんだもん」
「うんうん、ホントに良かったよーー」
眞子と一華ちゃんが、恨めしそうに八重嶋さんを見る。
「本当に悪かったと思ってるんです。悪気はなかった。邪魔をしているつもりも」
「そうだよ。私が勝手に勘違いして思い込んでいただけだから。八重嶋さんなにも悪くなくて、むしろ被害者というか」
「でもわかるな、八重嶋さんに誰かいないと浮つく男が多数出るからなんとかしてって」
「ほんとに、深谷奏一郎とはなにも無かったんですか?」
「ないない。あったのは、私の大学時代の友人とか、同僚とか同期とか」
「え?」
「あ」
「お、なんかいろいろ出てきたぞ」
「それは……陽は興味なかったかもしれないけど、深谷さんの話は有名だもん」
「え? なにがなにが? 何も知らない」
やっぱり桜井さんも言ってた、隙のない男深谷って、奏一郎君と同一人物なのか?
「もてるんですか? 昔から」
「もてるよ、それは。仕事できるし優しいし清潔感あるし、基本的になんでもできるじゃない?」
「すべてモテ要素だね、それ」
「私の周りだけでも数人いて、あと勿論私が知り得ぬ女性もたくさんいるわけでしょ?
今なんかまだ落ち着いているけど、若い頃なんて、無双だったと思う」
「……」
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