彼女は、もう祈らない

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ーー『神様なんて、いない』 彼女は、涙の痕の残る頬を乱暴に拭った。 神様なんていない。いる訳がない。 何度も何度も願った後で、こんな残酷な結末を用意した神様なんて、もう私には必要がない(いらない)。 あの子が、いなくなった。 守るものがいなくなったなだらかな腹部を、そっと撫でる。 ーー私は、もう誰にも祈らない。 〈end〉
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