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1章:19歳、夏の終わり
17歳の冬、飽き飽きしていた地元から1人で上京した。
ネットで見つけた、当時流行っていたシェアハウスというものに入居した。
礼金敷金、保証人が不要で、家賃には電気・水道代込みで、狭~い個室が借りられる。バストイレキッチンは共用だ。
それからバイトを転々とし、海外に行ってみたりと、自由に暮らし、帰ってきてまたバイトをして…と、毎日遊びほうけていた。
けれど19歳にもなるし…と、やっと真面目に就職しようとした職場を、なんと1日目の30分経つ前にクビになる。
店長がたまたま私の服の袖の隙間から、昔の手首の自傷行為の痕を見てしまったらしい。
絶対に見えないよう、なにかで隠していれば良かったのだが、爪が甘かった。
「君がそんな子だとは思わなかったよ」
外に呼び出されてそう言われ、そのまま解雇となった。
そんな子ってなんだよ。
正直働くことにそこまで乗り気でもなかった私は全くへこたれなかった。
まぁ貯金があるし、死ぬわけでもないし~と
また遊びまくる生活を送った。
誰も自分の事を知らない土地で、同じ歳の人ともあまり出会うことがなく
同級生が進学や就活していることにも考えが及ばなかった為、焦りも何も全くなかった。
ただただ、バイト先で知り合う人達やシェアハウス内の人と、遊んでいた。
そしてそんな、どうしようもない生活の果てにとんでもないことをしでかしてしまった。
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