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本章
規則的に身に付けられた制服姿の少女。彼女の名前はチカ。千花って書いてチカ。
千花の身体には、一生消えない傷痕が残っている。
小さい頃に付けられた、父親が吸っていた煙草の痕だ。
当時の千花は、自分が悪い子だからしょうがない事だと思っていたが、それが普通でない事は今では分かっている。
父親の怒りに触れると、怒鳴られて殴られたり火がついてる煙草を押し付けられたりした。
母親は見て見ぬふりで、いつの間にか千花を置いて家を出ていってしまった。
父親と二人暮しになってからは、それは酷いものだったが、ついに今日、高校を卒業することが出来た。
千花は、やっと逃れられるのだ。
高校三年間バイトでコツコツ貯めたお金で、私は自由になれる。
千花はそう思ったのだが、世間は甘くはなかった。
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