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湖の少女
月の美しい夜だった。
少女は自分の身体が、草木を清らかな水をこぼれ落ちる砂を触れることを感じた。
少女の顔が喜びに満ちる。
月を見ながら少女は、自分の夢であった演目をおどりはじめた。
チャイコフスキーの「白鳥の湖」。何度も舞台にいった。独学で学び、練習に明け暮れた。
あの美しい舞いをやってみたかった。あの美しい音楽に身を任せてみたかった。
何度も何度も踊った。月光が少女を照らしていた。
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