神隠し

1/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
消ぃーえた消ーえーたー あの子がー消ーえーたー みーんなワーターワーター 泡食って死んでぇーくぅー 楽しそうな歌声に銀次が顔を上げると、愛くるしい少女の様な少年がキラキラとした日差しの中で、鞠をつきながら歌っている。 銀次はその少年を神の思し召しだと思った。 「君、そこの君」 銀次の呼び掛けに、少年は驚いた様子で顔を上げる。 「助けてくれないか?お願いだ」 「……」 「助けてくれたら、何でも言う事聞いてやる」 「……」 少年は一度可愛らしく小首を傾げたが、やっと理解したらしくニッコリ笑って近づいてきた。 「本当に何でもしてくれるの?」 「ああ。本当さ。約束するよ」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!