わるいこと、ぜんぶ。番外編②

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茶色に染まった髪の毛を指でかき分けると、生えぎわが焦げ茶色なのが見えた。 地毛は、まるっきりの黒じゃないんだ。 こまめに染めるのって、結構大変なんじゃないかな。 「今期も生徒会やることになったんだから、そろそろ校則守りなよ」 自分にも聞こえないくらいの囁き声で小言を言ったのに、まるで聞こえていたかのように、知花くんは「うーん……」と唸る。 あ、眉間にしわ寄ってる。 まさか、本当に聞こえてたのかな? 無防備に目を閉じている姿は、ちゃんと年下らしく見える。 いつもこうなら可愛いのに。 そう思うと、自然と口角が上がってしまう。 目を閉じている時でもないと、こんなに見つめられないし。 「会長……」 「え?」 知花くんの唇が動いて、自分が呼ばれたかと思い、つい反応してしまう。 今のは……寝言?
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