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第1章
シャワーを浴び、スウェットに着替え、冷やしておいた缶ビールを取り、ソファーに腰を落とす。
これで一日が終わる。今日もいつも通り、慌ただしい一日だった。
プルトップに指をかけ、引き上げる。
プシュ。なんと心地いい音だろう。
時刻は11時。毎週見ているドラマが、さっき終わったところだ。
録画を起動させるべく、リモコンを手繰り寄せる。電源ボタンを押し、テレビの電源がつ……かない。あれ?
2、3回押す。つかない。4、5回押す。つかない。リモコンの表裏を逆にして押す。つかない。
テレビのコンセントは挿さっているようだ。となると、原因は電池か。
電池ケースを開ける。単三電池が二本。
指の腹で転がしてみる。こうやるとたまに復活することがあると、テレビか何かでやっていた。そしてスイッチを押す。つかない。
……とりあえずビールを一口飲んだ。ビールは美味い。
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