【Attacca】

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【Attacca】

ーー自分の存在を踏み台にし、自尊心を計る兄が嫌いだ。 この世で一番、憎たらしい。 そんな弟の憎悪を、奏は知る由もない。 そうして、また一曲、二曲と、奏でられる旋律。 それは成長するにつれ、余裕と優しさを大いに響かせ、聴く者の心を攫(さら)った。 塞いだ耳。それでも耳が削げる程に鳴り響いて来る旋律。 何度も指折り数えて終わりを待つ時間は、律からしたら残虐としか言いようがない。 夜明けの度に鳴り響く優しい音色。未来を知らない、知ろうともしない旋律は、二人の崩壊音でしかなかった。 To be continued……
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