episode258 Lavender

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僕が半身起こしたベッドに腰掛けて 椎名さんはまじまじ僕の顔を覗き込んだ。 「覚えてる……あの魔女に鈴蘭を食わされて、でも目を覚ましたんだ」 僕と薫の会話を貴恵は盗み聞いていたんだろう。 僕が夜毎花を食らっている異食症だと知るや再び。 どさくさに紛れて猛毒の花、鈴蘭を食わせた。 だけど――。 「医者の話じゃそんなこと医学的にはありえないって言ってた。食らった毒に耐性がつくなんて」 「そんなこと知らないよ。でも僕の身体はそうなんだ」 猛毒の鈴蘭を食らって一時ばかり気を失い。 だけど突如目を覚ました。 僕は半裸のまま泥だらけで外に走った。 そして朦朧としたまま椎名涼介に電話したんだ。 「僕を隠せ——って。僕を隠してくれと君は電話で言ったんだよ」
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