逃亡する花子さん

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やっと二人が去ってくれてやれやれと思っていたら、今度は別口が来た。 くねくねを通り越して、もはや蕩けきっている雪村さんと、彼女にまとわりつかれるようにして歩く小松さんだ。 どうやら二人でランチに行ってきたらしい。 合コンで意気投合したのか、この二人も昨日からこの調子だ。 「うふっ、小松さんったらぁ、ウフフ」 彼女がずっとこんなテンションなのなら、ウフウフとうるさそうだ。 雪村さんは合コンの時から彼狙いだったみたいだし、初志貫徹ができて何よりだ。 でも、小松さんって色気がダダ漏れだけど、いまいち何を考えているのかわからないところがある。 雪村さん、大丈夫かな? 「あ、花園さん、ただいま戻りましたぁ」 「……お疲れ様」 小松さんはチラッと壁の時計を見ると、腕に巻きついている雪村さんに流し目を送った。 とたんに、パッと離れる彼女。 目と目で会話してるのか? 「じゃあ、午後もお仕事頑張ってくださいね!」 と、グーにした両手を顎の下にあてて、上目遣いをする雪村さん。 すごい、こんなポーズを素でできるなんて。
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