拭いきれない過去と上塗る現在

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———— 次の日、藤岡さんの家から会社に向かい、いつも通り仕事をした。 服は昨日と同じだけど会社に行ったら制服があるし、まぁいいか……と気にしないでいた。 「おはよー。……ん?あれ?昨日と同じ服じゃない?」 まさか、制服に着替える前に木下さんに会うなんて思っても見なかった。だって、いつも木下さんは出勤時間が早くて……。 「あ、あれ?今日いつもより遅いですね?」 あははーと話を変えながら制服に着替えていく。 「そう。聞いてよー!最近息子が……」 木下さんもバツイチ子持ち。2年前元旦那さんと別れ、フルタイムで働いている。 5歳になる息子くんがとっても可愛い。 「なんか、モテ期みたいで。女の子が離してくれないから保育園に行くの嫌だー!!なんて言ってきてね?」 「いつもの電車に乗れなかったのー」と素早く着替えていく。 160㎝を超える高身長のモデル体系の木下さん、旦那さんと別れてからは息子が彼氏みたいなもんだから当分男はいらない、と言い続けて2年。 未だ男の影はない。 「息子くん、イケメンですもんね」 先に着替え終わった木下さんの後を追うように着替え、自分の席に座る。 「ふふ。ありがとう。で、昨日と同じ服だった理由は?……ランチの時に教えてね?」 木下さんの言葉に、逃げきれなかった……とちょっとガッカリした気持ちになって業務を開始した。
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