私が歩くのを止める日

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 水面から顔を上げた彼が必死に叫んでいるのが聞こえてきた。 「頼む!! 彼女を撃たないでくれ!!!」  それは聞けない頼みだろうと私も知っていた。  白いバンの前に立っていた男の人が私に銃を向けている。    いつか行きたいと思った川のある町に、確かに私は彼とともに立つことができたのだ。  きっと子どもの時も自分から飛び込んだんじゃなくて、こうやって落とされたんじゃ無いのかな?  この状況で、私はそんな幸せな妄想を描いていた。  もう永遠にそれを確かめる事はできないけれど。  私は足を引きずり、またひたすらに歩き出す。  大きな衝撃が私を飲み込むその瞬間まで―――― (完)
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