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「だからさ、ちょっとくらい大目に見てやれよ、さえ。圭太は15年分の想い溜め込んでるんだからさ…それが一気に溢れて止まんねーんだよ、きっと。」
「15で好きな子への気持ち封印して、友達でい続けようって覚悟するなんて、なかなかできるもんじゃねーぞ?俺なんて、すぐ好きだーって言っちゃってたもんな。」
半ちゃんと祐二の言葉に、
「もういいって…その話は…」
と、照れ臭そうな圭太に、ギュッと心を掴まれてじわじわと愛おしさが溢れる。
「透子ちゃんごめんね、2人のお祝いの席なのに、俺らのこんな話…」
そう言って、片目を瞑ってごめんのポーズをする圭太に、透子さんは
「いえいえ、お二人の話は和くんから聞いてたから…今日、会えて嬉しいです。」
と、おっとりとした可愛らしい声でそう言うとニコっと微笑んだ。
「透子〜!」
透子さんのお友達グループから呼ばれた透子さんは、ちょっと行ってくるね、和くんは皆さんとごゆっくり〜と、お友達の輪の中へ入っていった。
「ほんわかしてて、和むねー、透子さん。」
「うんうん!半ちゃんとすごくお似合い!」
圭太と祐二は、何度か透子さんとも会った事があるらしいけど、私達女子メンバーは初対面。
「サンキュー。これから仲良くしてやってよ。」
と、目尻を下げる半ちゃんに、勿論だよー!と返す。
「ねえねえ、って事はさ?うちらのおかげって事じゃん!圭太の15年越しの恋が実ったのは…!」
急に話を戻した真由香に、
「ホントだ!そうじゃんっっ!圭太ー!あの時、別にいいけど…なんて、軽く言ってたけど、内心は大喜びしてたなー、さては!」
千奈もニヤリと口角を上げて圭太に視線を向ける。
「……や、だから、ずっと片想い続けてた訳じゃないからな。ちゃんと友達と割り切って…俺だって適当に色んな女と付き合ってきたし…」
「………まぁ、次から次へと男ができるさえを近くで見守るには…自分だけ真っ新で誰とも付き合わず…とか、さすがにキツいしなぁ…」
「ホント、圭太はよく耐えてきたよな。」
祐二と半ちゃんはそう言って圭太の肩をポンっと叩いた。
そうだったんだ…
まさか、圭太が…私の事好きだったなんて…
思ってもみなかった。
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