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「あ、マロ!」
ひょこっと顔を出したのは千代で、マロはその千代めがけて飛びつくとその顔をぺろぺろと舐め始めた。
「ふふ、迷子になってたみたいですよ? 世莉ちゃんから真っ白な子猫を飼ってるって聞いて、もしかしたらって」
「えぇ、ありがとうございます。あの地震の前に家を飛び出しちゃって。本能で地震を察知して非難したのかなって思ってたの。それで迷子なんて、あわてんぼさんね?」
こつんと、真理に頭を小突かれてマロは「にゃおん」と甘える。
「って、世莉ったらまだパジャマなの? やっぱりまだ痛いなら病院へーー」
「楓さんっ、私っ、神威のお見舞いに行きたいんです! だからっ」
楓の腕を掴んでそう懇願する世莉に、彼はその手をポンと撫でた。
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