序章 江戸の暴れん坊

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序章 江戸の暴れん坊

時に 寛永年間初旬 徳河三代目のイエミツが 「余は生まれた時から将軍である」と言われた頃 徳河家が トヨトミ家を滅して やっと 戦国の世も終末を迎えた ここ お江戸の街が 人々を呼び込み 発展している時代です 武家 いやいや 旗本奴と言った方がわかりやすいか? 六方者 歌舞伎者と呼ばれ 江戸庶民に 乱暴を働く一団が闊歩する町 それに対抗するように 現れた 町奴との大喧嘩 いやいや 殺しあいにまで 発展した(水埜某対番随員強兵衛)など有名な事件が起きたり  騒々しい江戸の街では 金品を奪う 盗賊団が横行したりして 町人達も 夜は出歩かないように (ただし 金持ちと言われる大きな商家や 店屋しか狙われないだろう)と 庶民は思っていたが  旗本奴の暴行か? 町民が切り殺されたりしていたので   暗い夜は人々を怖れさせていました そんな時世。。。。。。。 江戸の商家のうちでも かなりの大店 五井屋(呉服扱い等いろいろと商いをしている店) この店の裏口へと 回されて 中に入った男  精悍な顔立ち 髪は短く刈り上げていて 一重なれどぎょろっとした大きな眼が印象的な男  結構 大柄なこの男が 何故 大店の裏口へと呼ばれたのか? そこへ 手代筆頭の 佐平(さへい)が小柄な体をさらに折り畳むように この大男へと 挨拶を始めました 「これは、よくおいでくださりました 私が この店の手代筆頭 佐平と申します ええと 鉄(てつ)様 」 「何言ってぇやがる 鉄でいいよ 渾名は豪拳の鉄(ごうけんのてつ)だが ただの鉄で構わねえ おもしれぇ仕事あるってんで来たんだ すぐに 内容教えてくれや 佐平さんだっけ? よろしく」 「ならば 鉄さん 近頃 近所の店が立て続けに 押し込み盗人に襲われております ですから 貴方様に店の夜の そのぉ我が店を守っていただきたいのです 」 「おお なるほどぉ わかったが 俺がやるって決めたら 大船に乗った気持ちでと御主人さんに伝えてくれや っで 俺の望みは ああ 金もだが まあ 酒だな 甕でもらえれば そんだけでもいいわ わっはっはぁ~(笑)」と 店の裏口と言えど 不似合いな大声で笑う この男 「豪拳の鉄」 この男が本編の主人公です さて 酒をたっぷり飲ませろとは 酒を飲んでて いざと言う時 大丈夫なのか?と一瞬 気を揉む 佐平さんですが 主人 五井三良衛門(いついさぶろうえもん)のたっての命であり そこは全て了承と  かの 大男 「豪拳の鉄」に伝えました。 物騒なお江戸の 夜番を任せられました 豪拳の鉄とは いったいどんな男なのでしょうか?  そして 盗賊団は現れるのでしょうか? では 次回へ つづきます。。。。。。。
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