相談女

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次の瞬間、頬を涙がつぅと伝いました。 そして、その涙がきつく噛んでいた為に赤く染まった私の唇を濡らしました。 呆けた(ほう)ようにその様子を見ていた先生の分厚い口元が開きました。 先生は慌てて言いました。 「わっ、わっ、何も泣かなくても、わかった、 どうしてもあの大学に行きたい熱意はわかったから、僕が何とかするから。」 何とかするとは言われた物の、具体的にどんな方法があるのかは教えて貰えず、その日はそれだけで終わりました。
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