猛獣対凶獣

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それぞれ捕らえた将を前に俺は立って居る。 「さて、何か言う事はないか?」 「今さら貴様に言う事はない!」 陳宮はフンッと鼻を鳴らす。 「同じく」 高順も同じく、潔く良く斬られたいようだ。 「敗者故に」 張遼もやはり負けたら斬れよと言う空気を出して居る。 「只野殿!俺は役にたつぞ!」 呂布だけは猛アピールで何とか命を繋ごうとして居る。必死だな! 他にも臧覇や魏続、宋憲に侯成の三人はアピールして此方に忠誠を誓うと言って来ている。 まあ、お笑い三人組は面白そうなので登用するが他にも臧覇なのどは有能だから登用はするよ。 しかし、問題は張遼と高順、そして陳宮と呂布だな。 張遼と高順は正直欲しいし、陳宮も新たな社畜候補として欲しい、問題は呂布を生存させなきゃ、この三人は首を縦に振らないと言う所だろう。 俺は呂布を見て声を掛ける。 「俺は呂布を許そうと思う」 その声を聞いて家臣達から反対の声が上がる。 「殿!今、呂布を殺して置かねば後々の禍根となりましょうぞ!」 「左様左様!」 「拙者も反対です!」 だよなぁ、しかし呂布を許せば張遼に高順と陳宮が手に入るからなハイリスクだが、リターンもデカイ。 「いや、やはり呂布を許して登用する。 その上で相談だが、張遼殿、高順殿、陳宮殿この只野に力を貸してくれまいか? 頼む、この通りだ」 俺は頭を下げてお願いすると張遼達に動揺が走る。 「何と…我等に頭を下げるとは…」 高順が思わず絶句する。 「勿論、呂布殿も仕えて貰う事になるが、どうだろうか?」 すると陳宮から声が上がる。 「本当に呂布殿を生かすので?」 「ああ、この只野に二言は無い」 「それではこの陳宮を存分にお使い下さい」 陳宮は臣下の礼を取ると、高順や張遼も後に続く。 「この張遼も宜しくお願いします」 「同じく」 三人が臣下の礼を取る。 「呂布殿、此れからはこの只野に仕えよ」 「ああ!承知した!何、この俺が居れば只野軍の天下は決まったような物だ!」 ハッハッハッと呂布は笑う。こいつはこいつであまり懲りて無いようだな。 まあ、常に側に置いて暫くは監視もするか。 他には臧覇に魏続、侯成、宋憲と曹性を臣下に加えた。 まあ、呂布軍の殆どを臣下に加えたと言っても過言では無い。 呂布八建将とか言うしな、演義ではね。 しかし、呂布軍をそのまま手に入れたお掛けで大量の騎馬が手に入った。 この騎馬は俺直属の騎馬隊にしようかな。 青銅大砲の音に慣れさせてから運用しよう。 しかし、国を広げ過ぎたな暫くは内政で国を富ませるか、只野火の改良や大砲の増産に後は鉄砲も作りたい。 鉄砲が有れば戦が根底から変わるし、何より対曹操戦での切り札となるだろう。 俺は一人考えると脳内から声が聞こえる。 『マスター、私が技術に関してはサポートします。 火縄銃の設計図は既に有りますので安心して下さい』 「それはありがたい、帰ってから図面を起こそう」 後は張魯の漢中や宛の張繍を抑えて起きたいな。配下に組み込めるのが一番の選択だな。 課題を多く残しながら、呂布討伐戦はこうして終わった。
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