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第1話 説話
吐息が、重なる。
肌から放たれる熱が車内の温度を上げていく。
繰り返される律動に漏れる水音が、低く響く軋音と混ざり合う。
何度も押し上げられていく快感に、頭の中が支配され、僅かな刺激にも声が上がる。
貪るような愛撫、行き場がないほど募る想いを込めるように。
腰にあてがわれた指先が肌に食い込み、背後から押し当てられた唇が頸に吸い付く。
堪らず、蒸気で曇ったガラスに手をついた。
その手を強く握られる。
息が止まるような絶頂と、愛しい声…
「………愛してる」
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