吉越まりこの突然の境遇

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吉越まりこの突然の境遇

東京動物病院の休憩室にて、同僚で友達の桃川(ももかわ)と話していた。桃川は旧姓で今は細川(ほそかわ)なんだけど、面倒だから桃川と呼んでいる。 「まりこ、異動かもよ?しかも地方に!」 「まじ?」 「噂だけど~」 「まじだったら私どこに行くわけ?」 「知らん!」 桃川のくだらない噂に、ちょっとはらはらした。てゆーか?私有能だし、異動とかないし! でも、翌日…。 「まりこ、異動決まったみたいよ?」 なぬ!? 同僚で友達の(なぎさ)から情報をもらってすぐ、1人で掲示板へ向かった。 私が異動なんてありえない! が、しかし…張り紙にはこう書いてあった。 動物看護師 吉越(よしごえ)まりこ 青森動物病院 獣医 異動 げー! あそこには元カレの足助守(あすけまもる)がいる!気まずすぎる!なんで私なの?足助守がまだいるでしょ? そんなイライラをぶつけるために、休憩室にいる桃川に当たることにした。 「桃川が行けばよかったじゃん!」 「ばかにすんな~!まりこは獣医として行くんでしょーが!桃川とか無理じゃん!」 「そうだけどー嫌なんですけどー」 桃川と2人で話していると渚がやってきた。 「まりこ、足助くんがこっちに異動してくるって」 「はー?」 「つまり、まりこは足助くんの代わりってことじゃないの?」 「なんで?足助守こっちなの?」 「研究チームに入るとかじゃないの?」 なにそれ、悔しい…。私なんて入ったことないのに…って違う!ラッキー!足助守と会わなくていいんじゃん。 「桃川!あんた足助守の面倒みてやれよ!」 「いきなり元気出すぎ。足助くんめんどいなぁ。渚が相手してやって~」 「嫌だけど。桃川が係でしょ?」 「えー渚ひどー」 でも、私の異動は事実だよね…。友達もいない知らない所で、1人暮らしもしたことない私が生きていけるのかな…。
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