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「アスルを手伝っていた人たちも、受賞なんだね。噂では、辞退するか迷っているって話だったけど」
「僕から言っていたんだ。手伝ってくれた事実は間違いない。彼らがいなければ成立してなかった、ってね」
「優しいね、アスルは」
フフの言葉に、アスルは照れた様子だった。視線を逸らし、鼻を鳴らす。
「彼らをぞんざいに扱うことを、僕のプライドが許さなかっただけさ」
ふふふ、とフフは笑う。いつも通りのアスルを見て、心が綻んだ。
「それで、だね。受賞者で小さなパーティーというか、宴会みたいなことをしないか、って話になっているんだが、フフは参加できるかな?」
意外な提案に、フフは戸惑う。フフはあまり友人がいる方ではない。友情よりも、勉強を優先してきた。もしかしたら自分のせいで空気を悪くするのでは。即答できないフフを見かねて、アスルが話す。
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